《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜

｢自分の中に封じ込めて……

そうだったのかもしれないな｣



独り言のように呟いた後、
先生は再びまっすぐ
あたしを見た。



そしてかすかに震える
張り詰めた声で――だけど
キッパリと、告げる。



｢教えてくれ。

穂乃花に、何があったのか｣



｢先生――…｣



過去と向き合おうとする、
まっすぐな瞳だと思った。



先生は立ち向かおうとしてる。



だったらあたしに、それを
邪魔する資格なんてない。



――あたしは大きく一度
深呼吸をして……

そして先生と同じように
キッパリと、真実を口にした。


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