《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
「お姉ちゃんが事故の後、
入院中に書いてた日記です。

親友の女の人に送られてた
のを、あたしも最近初めて
見せてもらったんです」



「日記………!?」



「―――はい。

そこに、お姉ちゃんの心が
全部詰まってます」



「穂乃花の……心――…」



先生は呟きを繰り返した
のを最後に、覚悟を決めた
ように最初のページを開いた。



綴られた文字を食い入る
ように追う目を、あたしも
息を飲んで見つめる。



先生は一言も話すことなく、
長い時間をかけてただ
ひたすらページを繰っていった。


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