《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
「辛い気持ちもある。

……でもきっと、オレは
知ることができて
よかったんだと思う。

でないとオレは、本当の
意味で前に進むことは
できなかったと思うから」



「先生―――…」



「……ずっとふっ切らないとと
思いながらも、どうしても
忘れられなかった。

後悔の想いを音に乗せて
届けるしかできないと、
オレは思ってた」



先生は話しながら窓ガラスの
鍵に指をかけ、そっと窓を
開いた。



風のざわめきと共に、
冷たい12月の空気が
室内に流れ込んでくる。


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