《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
先生はその風に髪を揺らし
ながら、曇りのない眼差しで
あたしを見て、



「そんなオレにきっかけを
くれたのも、君だ。

――君が聴きに来るように
なって、オレのここで
過ごす時間は、徐々に違う
意味を持ち始めた。

君に穂乃花の面影を重ねて
いると気づきながらも――
オレは君自身にも、たしかに
惹かれていたよ」



「―――――!!」



鼓動が、トクンと音をたてる。



あたしは先生の瞳に吸い
込まれそうな錯覚を覚え
ながら、ジッと耳を傾けた。


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