《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
それに話をしたりしたら、
あたしのことも色々聞かれ
ちゃうかもしんないし……。



『待って、君―――』



先生があたしを引き止め
ようとした声が思い出される。



だけどあたしは懸命に
その声と不安を振り払った。



(大丈夫だよ……。授業を
習ってるわけじゃないし、
先生だってあたしのこと
なんて知らないんだから)



それに第一、目が合った
のは一瞬だけ。しかも
わずかなドアの隙間からだ。


あたしの顔がちゃんと
見えてたかも怪しい。


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