《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
#14 エピローグ 〜天上のCANON〜
     * * *



「……本当に夢みたいだわ。

花琳が、こんなすごい
ステージに立つなんて――」



お母さんが緊張にグッと
両手を握り合わせ、舞台袖
から身を乗り出して、
ステージと客席を見てる。



「ちょっとやめてよお母さん、
恥ずかしいでしょ。

ってゆーかこの会場、
前にも演奏したことあるし」



「いや花琳、お母さんが
言ってるのはそういうことじゃ
ないだろ。

なんせ今回は全日本の――」



お父さんが話し出そうと
するのを、あたしは
『ハイハイ』と手を振って
あしらった。


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