《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
     * * *



次の日の午前中。



あたしは将輝に会うために、
C組の教室を訪ねた。



3時間目の終わりまで
待ってみたけど、一向に
辞書を返しに来る気配が
ないからだ。



4時間目が終わったら
昼休みで、将輝もすぐに
どっかへ行っちゃうかも
しれないから、もう今しか
時間がない。



廊下から見て将輝が自分の
席にいるのを確認して、
あたしはズンズンと中に入った。



「ちょっと、将輝」



呼ぶと、隣の席の男子と
談笑してた将輝はパッと
明るい顔をこっちに向け、



「よぉ、花琳」


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