《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
美術室は上の階、右手の最奥。



美術部も作品展示をする
だろうからどうだろうね、
なんて話をしながら、
美術室のドアをノックする。



中からはすぐに応答が
あって、開いたドアから
一人のメガネをかけた
男子が顔を出した。



「――何ですか?」



「あの、2年D組なんです
けど――…」



加藤さんが用件を伝えると、
男子はちょっと戸惑った
顔をして、



「額ですか。数は多少なら
余裕があるけど、貸出と
なると先生の許可が……。

今、出張で顧問の先生
いないんですよね」


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