《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
そう言って腰を浮かした、
長身の男の人は――…。



「久住先生……!」



小さな叫びが口から漏れ、
加藤さんが『え?』と
振り返ったのが見えたけど、
あたしにはごまかす余裕もない。



「というか、写真の額に
するなら小さめの物で
いいのかな?

それなら何点かは大丈夫だよ」



「沢村先生がいない時に
勝手に決めてもいいで
しょうか?」



「問題ないよ。

役立たずの副顧問とはいえ、
一応オレに任せてもらって
るんだよ?」



久住先生が苦笑しながら
言うと、室内の生徒が
ドッと笑った。


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