《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
立ち上がった先生も、
笑いながらあたし達の方へ
近づいてきて、



「今すぐ必要なのかな?

とりあえず現物を
見てみるかい?」



そう、穏やかな口調で
問いかけてくる。



「あ、はい。

できれば今日、貸して
欲しいです!」



元気よく答えた加藤さんの
声に、先生はニコリと微笑んだ。


そして、



「わかったよ。

それじゃあこっちの部屋に――」



先生がそう言った時、
呆然と立ち尽くしてた
あたしと、視線が重なった。


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