《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
「それじゃあたし、帰るね」



まだ何やら話してるクラス
委員の二人に告げて、
あたしは鞄を取ると教室を出た。



一人廊下を進み階段を
降り、一階の昇降口に
さしかかった時――…。



「――もう帰るのかい?」



ふいにかかった声に、下駄
箱に手を入れ靴を出そうと
してたあたしは、ハッと
動きを止める。



(どうして――…?)



どうしてまた、ここで会うの?



どうして彼が――あたしを、
呼び止めるの?




「……久住先生――…」



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