《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
でも先生はたいして気には
とめなかったみたいで、



「あぁ、そうだったのか。

それならよかった」



そう言って、優しい笑みを
こぼした。



(こんなふうに笑う人
なんだ……)



ピアノを弾いてた時の
真剣な表情の印象が強い
から、ついそんなことを考える。



それに線の細くて温厚
そうな外見からはちょっと
意外な、ほんの少しだけ
子供っぽい、かわいい笑顔
だったから。



「はい……ありがとう
ございました……」


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