《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
あたしは呟くようにそう
言って、そのまま靴を取り
出し帰ってしまおうと思った。



だけどあたしの手が動く
のを見たとたん、久住
先生が再び声をあげる。



「あ、ちょっと待って」



「え…………?」



(何……? 

なんで、待ってなんて……)



「少しだけ、時間とれないかな?

君に話があるんだ。

2年D組の、えっと――…?」



名前を尋ねられてるん
だってことに数秒遅れで気づく。



そして一瞬躊躇したけど、
結局恐る恐る自分の名前を
告げた。


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