《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
実際には、その裏側では――

『会えてよかった』って
言葉にドキンと鳴った胸を、
すぐに自分で叱咤してた。



(何動揺してんのよ、
情けない……。

正体つきとめられてよかった、
って言われてるだけじゃ
ない……)



別に全然、いい意味じゃない。




――あたしの胸の内を
知ってか知らずか、久住
先生はうっすらと笑みを
浮かべながら、言葉を続ける。



「あんなふうに見られた
のは初めてだったから、
驚いたよ。

それで逆に君も驚かせ
ちゃったのかな。ゴメンね」


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