《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
「あ…………」



まさかあたしが走って
逃げたことを、そんな
ふうに言われるとは思って
なかった。



こっちが一方的に逃げた
だけなのに……

もしかしたら、あたしが
話しづらくならないように
フォローしてくれてる――?



「見てたことは別に怒る気
ないから、心配しないで。

っていうか怒れる立場じゃ
ないし……」



「え………?」



最後の言葉がちょっと気に
なって思わず首をかしげる
と、久住先生は照れ笑いの
ようなどこか恥ずかし
そうな顔をして、


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