《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
「だからつまり、お願い
っていうのはさ。

オレがああやって時々
音楽室のピアノを弾いてる
ことを、誰にも言わないで
ほしいんだ」



「え――――!?」



ギョッとして目を見張る。



久住先生は少し驚いた顔をして、



「え? あ……もしかして、
もう誰かに話した?」



「話しては――…」



誰にも話してなんかない。


話してないけど――…。



(それって、あたしもその
秘密を守れってこと……?)



先生が繰り返してた、
ささやかないけないこと。


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