《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
あたしは先生の言葉を
そのまま反すうした。



その言葉は渇いた砂に水が
染み込むように、すんなりと
あたしの中に入ってくる。



(わかる……それ………)



―――あたしもそんな
ふうに感じることが、
たまにあるから。



もしかしたらピアノの
澄んだ音色には、そういう
不思議な力があるのかも
しれない。



それにピアノを弾くことは、
時に自分の中の色々な
ものを解き放ってくれる
ことがある。



もしかしたら先生もそれを
知ってるから――

いけないとわかってても、
つい無断で弾いてしまう――?


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