《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
「これからも……弾く
つもりなんですか……?」



無意識のうちに、そんな
質問が口からもれてた。



先生はあたしに視線を
戻すと、唇の端だけで
曖昧に笑って、



「どうかな。わからない。

だけどもしかしたら、また
弾いちゃうかもしれないな……」



『他の先生に話すかい?』



先生はあたしが責めてると
思ったのか、諦めた様子で
そう聞いてくる。



あたしは――…

自分でも信じられない
けれど、気づくとゆっくりと
その首を横に振っていた。


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