《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
「言いません……誰にも。

最初から、誰かに話そうだ
なんて少しも考えてません
でした」



「如月さん――…」



久住先生は、驚いたように
マジマジとあたしを見た。



あたしはそれをまっすぐに
見返すのが恥ずかしくて、
つい目をそらす。



だけど……別の方向を
見ながらも、言葉だけは
ハッキリと、目の前の
先生に伝えた。



「――約束します。
誰にも言わないって。

その代わり……あたしも
お願いして、いいですか……?」



――何言ってるのかな、あたし。


本当にこんなこと“お願い”
する気なの?


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