《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
徐々に大きくなる音に、
あたしの鼓動も比例する
ように速くなった。



どうしてこんなにドキドキ
してるんだろう?



不思議な感覚に陥りつつも、
音楽室のドアの前に到着
すると、迷わず滑り込む
ように中に入った。



「……………!」



演奏を続けながら、先生が
チラッとこっちを見る。

そして、ニコッと微笑んだ。



あたしの心臓は、ボールの
ように一際大きくドクンと
跳ねる。



(よかった。

迷惑がられてはいない
みたい――)


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