《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
あたしは目を閉じ、空間を
満たす幻想的な音に心を
漂わせた。



何だかこうしてると、体が
フワリと浮いて空まで
上がれそうだ。



久住先生の紡ぎ出す音が
流れる空をフワフワと
漂えたら、どんなに気持ち
いいだろう……。




「……下手だけど、好きな
曲なんだ」



演奏が終わると、久住
先生は照れ笑いを浮かべて
そう言った。



「へ、下手なんかじゃない
ですよ!

上手です。すごく――…!」



思わず立ち上がって大声を
あげてしまう。


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