姉×弟~ちょっと待って!~

「・・・」

「返事して。」

胸が締め付けられるように苦しい。
握られた手から私の気持ちが伝わるんじゃないかと怖かった。
だめ・・・なの。
私はお母さんを裏切れない。

「うん。ずっと姉弟だよ。輝はずっと私の弟・・・」

どうしてだろう。自分の言った言葉で泣きそうになるなんて・・・。
・・・あ、そっか。自分の気持ちに嘘をついているからだ。
・・・ごめんね、輝。

「そっか・・・」

そんな悲しい瞳をしないで・・・。

「・・・ごめん。」

輝は小さな声で謝ると、私の肩をつかみ、ゆっくり私をソファーの上に倒した。

「・・・輝?な、にやってんの?」

< 22 / 50 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop