姉×弟~ちょっと待って!~
「・・・」
「返事して。」
胸が締め付けられるように苦しい。
握られた手から私の気持ちが伝わるんじゃないかと怖かった。
だめ・・・なの。
私はお母さんを裏切れない。
「うん。ずっと姉弟だよ。輝はずっと私の弟・・・」
どうしてだろう。自分の言った言葉で泣きそうになるなんて・・・。
・・・あ、そっか。自分の気持ちに嘘をついているからだ。
・・・ごめんね、輝。
「そっか・・・」
そんな悲しい瞳をしないで・・・。
「・・・ごめん。」
輝は小さな声で謝ると、私の肩をつかみ、ゆっくり私をソファーの上に倒した。
「・・・輝?な、にやってんの?」