【完】貴方が居たから。
私は紀斗さんから離れて、クロールで浅瀬に戻る。



「兄貴どっちに行った?」



「あ、多分、向こうだよ」



「ありがとう」



小春に兄貴が向かった方向を聞き出し、キャミソールを着ながら走る。

また何かあったら、助けてくれた紀斗さんに顔向け出来なくなるよ。



「――兄貴ッ!!」



やっと見付けた兄貴は、立ち入り禁止区域の砂浜にいて、何度も顔を海に押し付けられてる。



「待て、憂愛!!」



「憂愛ちゃんは、俺と待ってような…?」



助けに行こうとした私。

でも、紀斗さんに止められて、倉木さんに腕を掴まれた。

小春と梢は、少し離れた所から、諏訪さんと待ってる。
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