【完】貴方が居たから。
せっかくの、楽しい旅行なのに。



「人の弟に手出ししてんじゃねぇぞオッサン…」



ーーバシャッ

彼は兄貴の頭を掴んでた男を海に向かって蹴り飛ばした。



「誰だてめぇ!!」



「初代・夜叉王やけど。
ガキみてぇな事を訊くんやな」



「何でここにいる!」



「――関係ねぇんやし、良い歳してガキに絡んでんじゃねぇよ…」



紀斗さんは低い声で周りを脅し、隙を突いて殴り飛ばす。

小さい男が、私と倉木さんの足元まで転がって来たけど、立ち上がるのがやっとの様子で、彼の強さがわかる。
< 116 / 200 >

この作品をシェア

pagetop