【完】貴方が居たから。
「憂音のいも…」
「―――黙って寝とけよ」
ーードカッ
何かを言おうとした男に、倉木さんが頭突きを喰らわせた。
「いたた…紀斗に鍛えられたお陰で倒せちゃったよ」
昔は不良だったかと思ったけど、実際はそうでもなさそうだ。
“紀斗に鍛えられた”って、何かされたのだろうか。
「終わったで」
「…うん。ありがとう」
「憂愛に怪我がなかったらえぇから」
彼の優しさ。
彼が無傷だから。
理由がよくわからない涙が溢れた。
両方――…。
本当は、二つの理由に私はホッとして、涙を流してるんだ。
「―――黙って寝とけよ」
ーードカッ
何かを言おうとした男に、倉木さんが頭突きを喰らわせた。
「いたた…紀斗に鍛えられたお陰で倒せちゃったよ」
昔は不良だったかと思ったけど、実際はそうでもなさそうだ。
“紀斗に鍛えられた”って、何かされたのだろうか。
「終わったで」
「…うん。ありがとう」
「憂愛に怪我がなかったらえぇから」
彼の優しさ。
彼が無傷だから。
理由がよくわからない涙が溢れた。
両方――…。
本当は、二つの理由に私はホッとして、涙を流してるんだ。