【完】貴方が居たから。
リビングの窓から海が見える。



「憂愛、大丈夫?」



「ん。大丈夫…」



激しい波―…。

波が高く、吸い込まれそうな感覚に陥る。



「小春に混ぜさせて良い?」



「うん…」



洗面所へと行き、手をゴシゴシと洗う。

…気のせいだ。

こんな不安、すぐに引くんだ。



「憂愛ちゃん?どうしたの。
梢が心配してたけど」



「……」



私を気にして来てくれたのだろうか。

そして、甘えても良いのだろうか…。

“何でもない”―…。

そう言えないのは、何故なのか。

きっと私は、いつまでも強がりなのかも知れない。
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