【完】貴方が居たから。
狂った現実
テラスに用意された花火とBBQの材料。
煉瓦(れんが)造りのコンロがあり、そこでは倉木さんの活躍により、木炭がパチパチと燃えている。
ボーイスカウトで学んだとかで、なかなか火種が木炭に燃え移らなかったけど、手付きは良かった。
「生活知識がある人はカッコいいですね」
「え…」
網の上に野菜を並べてた私がそう言うと、煙草を吸っていた紀斗さんが私を見て固まった。
…何か不味い事、言ったかな?
「紀斗。俺に妬くんじゃねぇよ!」
「そんなんやねぇ!」
…どうして妬いたの?