【完】貴方が居たから。
抱き締めて欲しい。

私の視界に、余分なモノは映さないで欲しい。



「憂愛!」



「紀斗さん…」



「梢、おいで」



私たちは各々の彼氏の腕の中へと飛び込んだ。

寒さにも似た涼しい部屋に入り、布団の中で恐怖心と戦う。



「ビックリしたな。こんな現実、嫌やろ」



守れなかった自分が悔しい。

きっと、みんなが悔しいんだ。



「憂愛の事は、俺が絶対に守る。せやから1人で気持ちを抑えんでえぇ…」



「……傍にいて…一緒にここにいて……」



離れられるのが怖い。

ここで1人にしないで。
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