【完】貴方が居たから。
翌朝、目覚めた私の前には紀斗さんがちゃんと居た。
相変わらず寝相は良くて、抱き締めてくれたままだ。
時間を確認しようも時計はないし、携帯も鞄の中だ。
ちょっと気が引けるけど、枕元にあった彼の携帯で時間を確認すれば7時を過ぎていた。
リビングに行くのが怖いけど、朝食を作らないと…。
紀斗さんの腕からすり抜け、部屋を出る。
「…諏訪さん?」
するとリビングのソファーに、座ったまま頭を抱えてる諏訪さんがいた。
私は冷蔵庫に買っておいたコーヒーをグラスに注ぎ、諏訪さんに手渡した。