【完】貴方が居たから。
山の頂上のスカイデッキに着くと、小春は諏訪さんに手を引かれて、景色を眺めに行った。

深呼吸を繰り返す小春。

私たち5人は2人から少し離れた所へ行く事にした。



「憂愛ー。あそこで抹茶でも飲まない?」



「うん。飲もっか」



御茶屋さんを見付け、赤い絨毯の敷かれた長椅子に座ると、優しそうな老夫婦が迎えてくれた。



「抹茶とわらびもちを7人分、お願いします」



「はいはい。お父さん頼みましたよ」



梢が注文をすると、笑顔で頷いてくれた。

おばあちゃんは立ったまま、麓の街を見渡す。
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