【完】貴方が居たから。
梢も「優しい味」と、味を堪能してる。



「わらびもちも美味い」



「兄ちゃんは顔に出やすいな」



ニコニコとわらびもちを食べる兄貴。

おじいちゃんは嬉しそうな表情で兄貴の隣に座った。

不良になった時に祖父から嫌われ、おじいちゃんと呼べる人と世間話をする兄貴は、いつも以上に笑顔だ。

祖父が大好きだったから、嬉しいんだとわかる。



「生き返ったー!」



「若いのに。でも良かったよ」



立ち上がって腕を伸ばして深呼吸してる梢を、おばあちゃんが優しく見守る。



「また来たいね」



「次は2人でやな」



私は紀斗さんに頷きながら、抹茶を飲みきった。
< 149 / 200 >

この作品をシェア

pagetop