【完】貴方が居たから。
「憂愛にガキって何やねん」



「…彼女なんか」



「そうや。あかんか?」



「兄貴がロリコンや!!」



“ムンクの叫び”の真似みたく、大袈裟に驚く碧斗さん。

容姿は似てるけど、性格は違いそうだ。



「叫ぶな!てか、何してんねん、お前」



「んあ?彼女の実家がこの海の保安委員会してたで手伝いやで」



「案外、真面目やん」



「今更やな」



紀斗さんの“兄”らしい一面に、微笑ましくなる。

私は2人の掛け合いを見ながら、兄貴の隣に座って、コーラを頼んだ。

キンキンに冷えたコーラはすぐに届き、私は喉を潤す。
< 156 / 200 >

この作品をシェア

pagetop