【完】貴方が居たから。
醜い感情が心を支配してる。

この気持ちは何なの?



「じゃあね、紀斗」



「あぁ。元気でな」



私はお友達のところに戻って行く美栄子さんの背中を見つめた。

紀斗さんは「貰ってえぇの?」とお茶を指差す。



「うん…」



普通に接しようと思ったのに、声が小さくなってしまった。



「憂愛?どないしたん。泣きそうやで」



…泣きたいよ。

あの人は誰なの?

何で笑顔で話してたの?



「私…」



「ん?」



「私の事…好きですか…?」



何を訊いてるんだろう。

疑ってるみたいじゃん。
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