【完】貴方が居たから。
「当たり前やん。俺は憂愛が好きやで」



パラソルの下に座り、私を膝の上に座らせる彼。

後ろからギュッと抱き締めてくれる。



「美栄子さんとの事…気になっちゃって…」



「ヤキモチ妬いたんか?」



これが、ヤキモチなんだ。

醜い気持ちの正体がわかり、私は完全に俯いた。



「美栄子は学生時代の彼女なだけやって、本当にたまたま会ったんや。
嫌な思いさせてしもうたな」



…違う…。



「紀斗さんは悪くないの…」



私が勝手にヤキモチ妬いたんだ。

私の心が狭いからいけないんだ。
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