【完】貴方が居たから。
でも私は、「待って下さい!」と、彼を止めた。

近くの自販機に行き、缶コーヒーを買い、その隣にあったベンチに座る。

陽は沈み、街灯と月だけが、私たちを照らしてる。



「今日は…ありがとうございました」



缶のタブを開けながら、軽く頭を下げる。



「謝られる事はしてへんで。
俺が勝手にしただけやしな」



竜哉兄とはまた違う大人な人だ。

身内だからと来てくれるのとは違い、偽善者とは感じない。



「今更なんですけど、何歳なんですか?」



「28やで。合コンメンバーで最年長やねん」



彼は苦笑しながら、「あいつら24とか25やねん」と教えてくれた。
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