【完】貴方が居たから。
「憂愛はいくつなん?」



話を振られて現実に戻る。



「16…17になりました」



3日前、1人で迎えた誕生日を思い出した。

暗い自室で、ただ呆然と過ごした。



「若いな。俺と一回りやん。
今年の8月で、29やから」



あと1ヶ月。

彼は合コンに来てたけど、誰かが祝ってくれるんだろうな。

モテそうだし。



「憂愛、頼みあんねん」



「頼み、ですか…」



「明日18時。ここで待ってて」



「何でですか?」



「内緒。おめかししてて」



私は理解をしないまま、頷く。

明日になればわかるし。
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