【完】貴方が居たから。
共に2人で
時は流れて、8月18日。
今日は紀斗の誕生日。
そして、彼の両親と初対面の日。
「憂音、真っ直ぐ敷いてよ!」
「紀斗さん何度も来た事あるんだけど」
「気持ちの問題なのよ」
一時退院をした母親は、気合いを入れて出迎えの準備。
兄貴に新しいゴザを敷かせてる。
元々、敷かれてた絨毯は“染みがある”って、一年しか使ってないのにNGが出された。
「結納金、20万じゃ少なかったかしら…」
母親同士が電話で話して、やっぱり結納金だけは交わされる事になった。
紀斗が“いらない”と話したらしいけど、“黙りなはれや”と、怒られたとか。