【完】貴方が居たから。
…どうして…?

どうして、貴方は。



「私に優しくするの…?」



むしろ、何で構うの?

私は借金を作って逃げるような男と、ちょっとでもストレスが溜まると倒れるような母親の娘で。

兄貴は不良で、何の得もない人間なんだ。

私に構うと、時間を損してるだけだと思うけど。



「理由なんて一つないで。
てかな?憂愛に優しくしてるんは…まぁな」



彼は私の頭を撫でながら、煙草を銜えた。

濁された答えは、「自分で先ずは考えるんやで」と、笑顔で流される。

人の気持ちなんてわからないよ。

…わからなくて、平気だよね…?



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