【完】貴方が居たから。
「何する?ペペロンチーノ?」



「いや…」



「俺もそれにするから、口臭は気にせんでえぇよ」



「はいっ」



メニューを見ずに、サイドメニューも決めた高瀬紀斗。

来慣れてるとわかる。

サラダとミニのピザ。

石窯で焼いてくれるみたいだ。



「憂愛、オレンジジュース」



「あ、ありがとうございます」



「ん。てか、敬語は止めようや。
俺らは…何や。友達か兄妹やん」



“友達か兄妹やん”…。

胸にチクリと痛みを感じた。

…私たちは、友達でも兄妹でもない。

そう、強く思う。
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