【完】貴方が居たから。
停車したのは、夜景が綺麗だと有名な山公園の駐車場。

車内からでも、景色を堪能する事が出来る。



「シートベルト、外して大丈夫やで」



「あ、うん…っ」



言われた通りにシートベルトを外し、体を自由にする。

窓を感じさせない、キラキラとしたネオン街や家々の明かりに、うっとりとしてしまう。



「周り、恋人だらけやな」



「恋人って、必要ですかね。
恋の良さはわからない」



そう本音を漏らした私に、彼の視線が飛んで来る。



「ガキが馬鹿な事を言うてるんやねぇ」



ちょっとキレたような声。

肘つきで頬杖を突きながら、私から視線を逸らそうとしない。
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