【完】貴方が居たから。
それにしても、抜けないように説得とか、馬鹿なんじゃない?

…何で、私が。



「貴方がいつまでも、犯罪を犯す事が私には理解不能なんですけど。いい加減、大人になったらどうですか?醜い。人として神経を疑いますね」



「……」



村岡明宏とガッチリ視線が合う。

無表情で私を見てる。

…キレる?

悔しいわけ?



「憂愛ぁ゛ーッ!!;;」



怖じけない私に村岡明宏が笑った瞬間、兄貴の大きな声が耳に届く。

振り返れば、昌宏が金属バットを振り回して私に近付いて来る。

逃げるに逃げれない――。

そして、自分でも痛々しい音が耳に止まらず、体中に反響(こだま)した。
< 43 / 200 >

この作品をシェア

pagetop