【完】貴方が居たから。
お互いに顔を見合わせたまま、無表情。

ーーピリリリリ…

しかし、私は鳴り出した携帯に目を向けた。

“090……”



「はぁ…、ちょっとごめん」



小春たちの後ろを靴を脱いで歩き、通路へと出た。

電話の相手は母親。

今は精神科に入院中。



「もしもし。何?」



『憂愛?さっき警察から連絡が着たわ。憂音ーユウトーのお迎え、頼める?』



「…はいはい」



私は電話を切った。

憂音とは、兄貴。

高校時代からずっと不良で、19歳でも警察のお世話になってる。

今日は何をしたんだか。
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