【完】貴方が居たから。
21時を回り、今日はお開き。
駐車場で4人に別れを告げて、私の地元へと向かう。
「さっきはスッキリしたか?」
「どうだろ…。会うなんて思ってもみなかったから、100%とは言い切れないかな」
「せやな。突然やったし」
「もう会いたくない。あの人にも灰田さんにも」
紀斗さんは会社で会う。
けれど、必要以上に関わらないで欲しい。
我が儘だってわかってる。
でも、嫌なんだ。
私は父親を奪ったつもりはない。
私だって、紀斗さんが好きで仕方ない。
誰よりも隣にいて欲しい。