【完】貴方が居たから。
夏休み初日
―――夏休みがついに来た。
小春の家に呼ばれて行ってみると、梢が号泣していた。
倉木さんと頻繁にデートを重ねて楽しそうだったのに、どうしたんだろうか。
「何かね?倉木さんが上司に頼まれてお見合いしたらしいよ。
で、ヤキモチ妬いて大泣き。
まだ付き合ってないから、“何でお見合いしたの!”なんて責めれないからねー」
ソファーに座り、優雅にハーブティーを飲んでる小春は、本気で相談に乗るつもりはあるんだろうか。
私は梢にティッシュを差し出し、隣に座って出されたアイスコーヒーを飲む。