【完】貴方が居たから。
「小春が怒ってるのは、親友としては当然かも知れないんですが、倉木さんにも事情はありますから、気にしないで下さい;;」



頬が萎めば、睨む行為に変わる小春。

紀斗は「かなりご立腹やな」と、他人事だ。

私も他人事だから、怒りや悲しみにならないんだろうけど。



「倉木さん、何でお見合いを受けたんですか?上司の命令でとか?」



「あ…それか」



倉木さんは俯く梢をチラッと見た後、頭を掻いた。



「まさか、自分から?」



「どっちかと言えば…。やりたい仕事を進めるには、良い条件だし」



「―――は?」



私は倉木さんのセリフに、気持ちを我慢する事が出来なくなった。
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