【完】貴方が居たから。
「先輩の気持ちもわからない子には、わからないだろうな」



「大人だからって、許されない事はあります」



「何が」



「梢は悲しんでる!仕事の為なら、誰を傷付けても良いんですか――ッ!?
私だったら嫌です。そんな理由で片付けられたくないです…」



離れるとか、それだけでは胸は晴れない。

好きなんだよ?

気持ちを簡単に変えるなんて出来ない。

大人になったら出来る?

だったら私は大人になんかなりたくない。

今のままで良い。

子供で良い。



「諏訪。出ろや」



「俺ですか?」



「憂愛を殴っといて偉そうな口を叩くなや」



紀斗さんが諏訪さんを連れて出て行く。
< 93 / 200 >

この作品をシェア

pagetop