【完】貴方が居たから。
「心配だから…」と小春も出て行くと、ミニキッチンの水道でハンカチを濡らした倉木さん。
「冷やすと良いよ」
「……」
私は無言で受け取った。
倉木さんはジャケットの裏ポケットから煙草を取り出し、煙りが私たちに掛からないように吸い始めた。
「…プライドって、言うのかな。
仕事の為にお見合いは受けた。
でもちゃんと、断る事もOKって
条件は付けたんだ。それを人には
言えなくて、結果、憂愛ちゃんに痛い思いさせたし、梢を泣かせたね」
「じゃあ、梢との事…」
「うん。デートは暇潰しじゃないよ。これからを考えてしてる。
紀斗みたく、俺は女にツンケン出来ないから、時間を掛けて愛を築かないとね」
最低なのは私だった。
大人にならないなんて、私にはなれないモノかも知れない。
「冷やすと良いよ」
「……」
私は無言で受け取った。
倉木さんはジャケットの裏ポケットから煙草を取り出し、煙りが私たちに掛からないように吸い始めた。
「…プライドって、言うのかな。
仕事の為にお見合いは受けた。
でもちゃんと、断る事もOKって
条件は付けたんだ。それを人には
言えなくて、結果、憂愛ちゃんに痛い思いさせたし、梢を泣かせたね」
「じゃあ、梢との事…」
「うん。デートは暇潰しじゃないよ。これからを考えてしてる。
紀斗みたく、俺は女にツンケン出来ないから、時間を掛けて愛を築かないとね」
最低なのは私だった。
大人にならないなんて、私にはなれないモノかも知れない。