【完】貴方が居たから。
「迎えに行って来な?俺は梢と話してるから」



「…はい。本当にすいませんでした」



私は応接室を出た。

関西弁が聞こえる方に走ると、煙草を吸いながら窓の景色を見てる紀斗さん。

肩を縮めて、「はい…」と頷いてる諏訪さん。

小春は2人から少し離れて立ってる。



「小春…?」



「あ、憂愛。大丈夫?」



「うん。倉木さんがハンカチ貸してくれたし」



私はハンカチを見せながら、笑って見せた。

小春が気にする事ではないし。



「そっか!」



小春に頷き、諏訪さんの横を通り過ぎ、紀斗さんの手を掴んだ。
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