【完】貴方が居たから。

「私の気持ち、見抜いてたの？」



「おー、憂愛。顔に出てたで」



煙草を灰皿に捨てて笑う紀斗さん。

頭を撫でられると、自然に頬も綻（ほころ）ぶ。



「憂愛ちゃん、あのさ…」



「諏訪さんは、先輩思いなんですね」



「あ、うん…まぁ。仕事で行き詰まった時に助けてくれたのが、倉木先輩だったから」



「俺も助けたやろーが」



「まぁ…;;」



「私は先輩や後輩と話した事ないから、イラッとはしましたけど、見せ付けられた気分です」



「ごめんね;;」



「いえ…。私もわかるかったから。今、倉木さんから本音も聞きましたから」



私の発言にニタッとした小春。

隣に立つ紀斗さんは「ロリコン」と呟いた。