2人のユウを繋いだ空
すぐに先輩が止まって、先輩の視線があたしの手袋をした左手へと向かってから、あたしの目を見た。
「あの…由宇ちゃん。
スカートだけど…ここ登れる?」
先輩が指さしたのは、あたしの身長より10センチぐらい高い白いフェンス。
多分スカートのことよりも、指のことを気にしてくれたんだね。
先輩は本当に優しい人。
「はい、多分…?
こういうこと実はしたことないんで……」
「そうなの?じゃあ、俺が先に見本見せるよ。」
そう言って先輩は器用に足をかけて、すぐにフェンスの向こう側の学校の敷地内に行ってしまった。